こだわりのインテリアで創りあげた空間
3方向の窓から光が差し込む2階のLDKは、真新しいモデルルームのようにすっきり。十分ゆとりのあるキッチン後方の棚には、コーヒー用のグッズやスタイリッシュな家電が並んでいて、さながらカフェの雰囲気だ。「レンジやトースターなどは街で見たあと、同じものをネットで探して買いました。たいていはそのほうが安いので」とご主人。こだわりの品々で揃えたキッチンは、使い心地もよさそうだ。
不動産関係の会社にお勤めのご主人は、朝早く家を出る。職場のある虎の門までは、明大前から渋谷乗り換えで二十数分と近い。家から駅までの道のりにプラス十数分かかるが、「ここに越すまでの2年半、下北沢の賃貸マンション暮らしだったときも同じくらいの距離だったので気になりません」。
奥さまは新橋勤務。二人とも渋谷経由で同じ銀座線を使うが、「行き帰りの時間がまったく違うので、一緒に……ということはないですね」とちょっと残念そう。
テラスハウスという、つかず離れずの適度な距離
お二人は職場結婚。それぞれ一人暮らしを経て、下北沢で新婚生活をスタートさせた。「井の頭線沿線が好きなんです。大学が吉祥寺だったこともあり、沿線には友人も多い。都心に住みたいというあこがれもあったし、23区の西側が理想だったから、今の住まいにはすごく満足しています」とご主人。めでたく夢がかなったわけだが、最初から家の購入を考えていたわけではないという。
「井の頭線沿線で家を持つなんて、費用の面から考えても大変なこと。それが、なんとなくチラシを見ていたら、立地も価格も希望と合っていて。すぐ見に行くことにしたんです」と奥さま。その後はもう「見て、すぐ即決」だったとか。
「3階建てのテラスハウスという、つかず離れずの適度な距離感がいいと思いました。プライベートを確保しながら、互いの気配を感じられる。いずれは、3階は子ども部屋、1階は親の住まいにと、すぐに将来的な使い方まで思い浮かびましたね」とご主人。
現在、3階の一部屋は勉強&趣味のスペース。夫婦とも仕事に関する資格取得の勉強中で、デスクが置かれ、趣味の音楽や読書関係のものも並んでいる。
夫婦のきずなが深まり「家族」を実感
リビングでコーヒーを飲みながらくつろぐお二人に話を伺っていると、たびたび顔を見合わせ、笑い合いながら答えが返ってきて、洗いざらしの白いシャツのように飾り気のないさわやかな人柄が伝わってくる。
藍色のカップ&ソーサーは、お気に入りを探し歩いて、やっと新宿で見つけた品。しかし、ご主人は「以前はコーヒーが苦手だった」そう。「先にはまったのは、私」と奥さま。「私もコーヒー党というわけではなかったけれど、下北沢の専門店で豆を買って淹れてみたら美味しくて」。
リビングのウッディなブラインドや、落ち着いた色調のシンプル&スタイリッシュなインテリアも、もともとは奥さまの好みだったとか。「妻の好みが、いつの間にか自分の好みになっていたから、家具や雑貨選びも、もめることはありません。夫婦円満です(笑)」。
休日のいちばんの楽しみは、インテリアや雑貨のショップめぐり。よく行くのは吉祥寺、渋谷、新宿など。電車に乗れば10分で着いてしまう。「音楽も好きなので、ライブハウスにも通いやすい。家の周囲には広い公園や神社などもあるから、二人で川沿いをジョギングすることも」。
身近にある都会と自然。両方のよさを実感しながら、充実した暮らしが送れているという。
「休日の昼間、あちこちの窓を開けて、風を感じながらのんびり過ごす──。自分たちの家を持ってそんな時間を過ごしていると『家族だなぁー』って感じます」。
うなずき合う二人から、また笑顔がこぼれた。