変わらない価値がここにある
Discover Timeless Value
田端文士村
そのむかし、田端は「芸術家や文士たちの街」でした。
江戸時代は閑静な農村で、ショウガや白瓜が名産でした。「田端」の名のとおり、低地には水田が広がっていました。しかし明治の中ごろ、上野に東京美術学校が開校すると、学生や卒業した若者がここに住み始めます。田端駅が開業し、交通の便がよくなると、日本画や洋画、彫刻、工芸など、さまざまな分野の著名な芸術家が次々と居を構え、田端は芸術家の集まる住宅地になっていきました。
大正時代には、東京帝国大学(現在の東京大学)の学生だった芥川龍之介が移り住みました。これをきっかけに、芸術家だけでなく、文士もこの地に集まるようになります。「蜘蛛の糸」や「羅生門」など、人間心理をついた作風で知られる芥川は、ここに14年間暮らしました。残念なことに旧居は戦災で焼けましたが、大正から昭和初期が文士村の最盛期でした。
「田端文士村記念館」では、文士たちの様々な資料が無料で見られます。手紙や日記からわかる、それぞれの交友関係も展示の見どころ。また、芸術家や文士たちの旧居跡を解説付きでめぐる「田端ひととき散歩」も毎月開催されています。講演会や子ども対象のイベントなどもあり、文学や芸術に詳しくなれそうです。
環境にやさしい街
北区は「ゼロ・カーボンシティ宣言」をしています。リサイクル活動の拠点のひとつ「富士見橋エコー広場館」は、山手線を上から見下ろせる場所にあります。ここは不用品の回収拠点であると同時に、区民主体のリユースやリサイクルの講座が開かれています。
「さき布織り」は週5回おこなわれる人気講座。不要になった布を細く裂き、機織り機で布に織っていきます。それを使い、コースターや袋物をつくる講座も。有志の運営スタッフが「何回も通って来られる方もいるんですよ」と教えてくれました。そのほかにも、パッチワーク、帯や傘のリメイク、子どもも楽しめる牛乳パックの紙すきなど、楽しい講座が休館日以外は毎日開催されています。館内では環境に関する本が閲覧でき、環境に配慮したグッズも販売しています。
鉄道の街
田端駅には商業施設のアトレが入っていますが、大きな商店街は見あたりません。というのも、田端の歴史は古く、鉄道が通る前の中心地は南西に離れたところだったのです。今もその一帯には、商店や飲食店があります。
田端駅は、明治29(1896)年に、上野〜高崎を結ぶ路線から、土浦へ行く路線への分岐駅として開業しました。開業後は、品川や横浜を結ぶ路線が次々につくられ、田端駅は石炭や建設資材、生糸などを輸送するためのターミナルになりました。現在、この一帯は、貨物駅、新幹線車両センター、尾久車両センターがあり、いろんな電車が見られます。とくにJR田端駅から出てすぐの「田端ふれあい橋」は、レールや連結器カバーなども置いてあるビュースポット。線路を見下ろすと、在来線や貨物列車、見上げると新幹線が通るので、いつまでも楽しめます。
尾久車両センターで毎年秋に開催されていた人気イベントが「ふれあい鉄道フェスティバル」。普段は入れない構内に、人気電車や懐かしの列車が集まります。コロナ禍で中止されていたのですが、今年は6年ぶりに「尾久フェスティバル」として復活しました。特殊な車両の展示、保守用車両への体験乗車、転車台の見学などがあり、電車グッズの販売もおこなわれる、楽しい催しです。
交通の利便性と環境の両立
リムテラス山手田端 THE HILLのある5丁目は、武蔵野台地の上にあります。関東大震災の時に、北区の他の地域より比較的被害が少なかったといわれる地域です。このあたりには閑静な住宅街が広がっており、駅近でも人混みや騒音が気になることはありません。線路の東側には複数のスーパー、飲食店があり、日々の買い物に便利。静かな環境で交通の利便性を生かせる立地です。また、隣駅の駒込や西日暮里には徒歩16分。江戸の二大庭園に数えられる「六義園(りくぎえん)」や英国風の洋館のある文化財「古川庭園」も徒歩20分以内です。ショッピングも散策も楽しめるロケーションで、休日が楽しくなりそうです。
田端駅からは、JR山手線とJR京浜東北線の2路線が利用できるため、交通アクセスは抜群です。
都心に円を描くJR山手線は、新宿・渋谷・品川など、都心の主要ターミナルをつなぎます。運行本数も多いうえ、どの駅に行くにもほぼ30分以内。田端駅から池袋駅までは4駅9分、東京駅までは8駅17分です。
JR京浜東北線は、神奈川県の横浜駅から東京駅、上野駅などを経由し、埼玉県の大宮駅まで行く路線。田端駅からさいたま新都心へは31分、横浜へも乗り換えなしで1時間で行くことができ、通勤や通学、レジャーにも便利です。
静かな環境と、生活の利便性が両立する街。
江戸、明治、大正を感じられる歴史ある街。
この街で、穏やかな都心生活を送ってみませんか。